2.0プロデューサーインタビュー

ゼンゼロプロデューサーLi Zhenyu氏の海外ゲームメディアインタビューを独自にまとめてご紹介します。

▲「Ver.2.0「雲霞の行き着く処」予告番組」より抜粋
Q
イーシェンは虚狩り級の強さを誇るキャラクターとして登場した。現状では星見雅が唯一の虚狩りキャラクターですが、イーシェンはどのようなポジションとして計画されたのか?
A

物語の観点では、シーズン2における主人公の師匠として機能する。技術を伝授する役割だけでなく、主人公らが自身の内面に立ち向かうのを助けるという重要な役割も担っている。
エージェントとしては、彼女は「宗師」の称号を持ち、戦闘能力もユニーク。彼女はシーズン2のストーリーを主導し、戦闘体験を豊かにするうえで重要な役割を果たしている。

Q
雅を強くしすぎたという後悔などはあるか?もしくは、ある程度強いキャラクターたちの中に雅のような突出したキャラクターをあえて配置することで面白さを引き立てているのか?
A

雅の並外れた強さは、彼女を取り巻く設定とチームの期待の両方に一致している。各キャラクターの強さは物語や背景によって決められ、プレイヤーが持つ印象や期待に応えるようにしている。

Q
古いキャラクターはパフォーマンスやゲームの環境に応じて調整されるのだとか。どういったキャラクターが優先的に調整されるべきか、判断基準は?
A

バージョン2.0ではまずエレンの最適化を実施した。最初のSランクエージェントである彼女は、長くゲームに親しんできたプレイヤーと開発チームをつなぐ絆のような印象がある。だからこそ、エレンが最初に調整するキャラクターに相応しいと判断した。
調整には明確な基準があるわけではなく、長期的に探究していく。

Q
現在、パーティの構成要素である3名が揃っていない陣営がある(オボルス小隊、スターズ・オブ・リラ、モッキンバード)が、メンバーを追加する計画はあるか?1名や2名だけの陣営もあり得るか?
A

陣営の人数に上限・下限は設けていないので、今後の派閥数やメンバー追加は物語のペース、コンテンツのニーズによって決まってくるだろう。

Q
クレタとベンを一緒にパーティに編成した時に見られるような特別な演出はこれまで新たに登場していないが、もう見られないのか?
A

同一陣営の連携攻撃は戦闘デザインの方向性の一つだと考えている。キャラクターの専門性に基づいてより多くの戦闘メカニズムの可能性を探求し、プレイヤーに提供していきたい。

Q
キャラクターの戦闘スタイルやアニメーションはどのように決定されるか?
A

単純に誰かが決めるのではなく、プランニング、アート、アニメーション、IPなど複数のチームによる相乗的なコラボレーションによって生まれる。通常はIPチームはアニメーションチームにキャラクターの性質に関する指示を提供し、元のアートワークにもとづいて様々なインスピレーションを得ながら動きのアイデアをまとめ、時には実際に体を動かして演じながら、その映像を研究することもある。
標準的なコンセプトができたら、戦闘デザイン、アニメーション、IPの各チームは様々なクリエイティブな可能性について議論し、実現可能なものに対して実際のゲームプレイにおけるロジックを明らかにしていく。
場合によって個々の要素がチームを行き来することもあるため、物語の詳細と視覚的な表現は戦闘アクションを設計する際にどちらかが優先されるわけではない。
その結果、プレイヤーはキャラクターのストーリーに説得力を感じ、こだわりぬかれた細部がプレイヤーに楽しさや驚きをもたらしている。

Q
現在、プレイアブルキャラクターのうち26名が女性だが、より多くの(しかもSランクの)男性キャラクターは登場する?
A

将来的にはSランク含め間違いなく男性キャラクターは増える。詳しく言えないが、ストーリー展開に応じて紹介していく。

Q
「防護」特性のキャラクターでSランクなのは現在シーザーだけだが、積極的に追加しない理由などがある?
A

防護キャラクターは一般的にパーティ構成と戦闘において独自の役割を果たす。シーザーの例ではシールドを提供するのと同時にダメージブーストも行う。そのため、戦闘メカニズムやプレイスタイルを重複させずにそれぞれが異なる体験を提供できるように注意を払っている。シーズン2でも、キャラクターデザインの原則とプレイヤーからのフィードバックをもとにユニークなメカニズムを持つ防護キャラクターを導入する予定だ。

Q
零号ホロウにおけるキャラクターの専用武装を、他のモードで利用したいと考えるプレイヤーも多そうだ。実際にカリンの武装がデザイナー対談動画でも示されたが、専用武装はキャラクターの調整計画に影響を与えているか?
A

バージョン2.0ではエレンの調整を行い、専用武装「フロストバイト」を改良して統合する。長期的なゲームプランとして、プレイヤーがすでに所有しているキャラクターのプレイ体験を最適化することを重視しており、今後の調整で全体的なゲームバランスとプレイヤーからのフィードバック両方を考慮し、専用武装の統合も一つの方法として検討していく。

Q
デザイナー対談では、今後はアタッカー以外のキャラクターも存在感を高めていくという話があったが、どのような方向性を検討しているか?
A

バージョン1.6で「追加攻撃」のメカニズムを導入したが、それは戦闘中にフィールド外(控え)のキャラクターが十分に存在感を発揮していないことに対処することを意図していた。
フィールド外にいるキャラクターにもある程度の存在感を与えたいと考えており、今後も全体的な戦闘体験を向上させるために新しい戦闘メカニズムを積極的に実験しながら取り入れたい。単に個々のキャラクターを強化するのではなく、キャラクターの全体的な存在感を高めるように改善していきたい。

Q
アンビーはAランクとSランクがそれぞれ登場しているが、今後もAランクキャラクターのSランクバージョンが出る?
A

今言えるのは、今後もより多くのSランクキャラクターが出るという事だけ。お楽しみに!
※補足※原文を慎重に検討しましたが、「Sランクキャラクター」が出るとは言っていますが、「AランクキャラクターのSランク版」が出るとは明言していません。

Q
協力プレイができるモードは登場するか?
A

マルチプレイ(協力)とPvPモードはいずれも追求していきたい方向性だ。既存のボンプイベントは肯定的な反応を得ている。将来的には、マルチプレイヤーに重点を置いた機能を導入し、多様な戦闘体験を提供する予定だが、品質を担保する必要がある。

Q
衛非地区は、既存のポップで都会的な世界観を損なうのではないかという懸念があるが、どのように考えているか。
A

衛非地区のデザインはモダンで都会的な要素をベースにしつつ、六分街やルミナスクエアとは異なり多様なスタイルを取り入れた新鮮さを提供する試みを行っている。
今回は、広東省とその地元文化、香港映画からインスピレーションを得て、生活環のある雰囲気を演出した。
プレイヤーに新しく魅力的な体験を提供することが目標だが、結局のところ、「都市」がどういうものであるか万人に共通で絶対的なイメージや定義はないので、ユニークで芸術的なデザイン、文化的なセンスが世界中のプレイヤーに受け入れられると嬉しい。

Q
プロキシはイーシェン師匠の下で修業しているが、長期的にプレイアブルSランクキャラクターとしてリリースされる予定はある?
A

プロキシ兄妹はイーシェン師匠から術法を学び、エーテルを制御する術を身に着け、ホロウ内での探索でさっそく活躍する。ストーリーラインでも、彼らがサクリファイスの事件を解決すべく奔走するうちに、兄妹の眼球にあるインプラントに関する秘密に気づき始めているだろう。
今後も彼らの能力は向上していくので、未来の力に期待してほしい。

Q
2.X以降ではキャラクターと主人公の関係性について、既存のストーリーを超えて新しいレベルに引き上げる試みがあるとか。
A

キャラクターの信頼度システムは、プレイヤーとキャラクターの関係性を強化し、戦闘を超えてキャラクター自身の魅力をアピールし、仲間意識を高めるために物語とゲームプレイの両方で拡大し続ける。
物語の面では、キャラクターの性格、背景、プロキシとの関係性を織り交ぜて紹介し、ゲームプレイ面では1.7の「花言葉に秘めた想い」、2.0の映画イベント「グラビティが結ぶ出会い」のように様々なキャラクターと交流することができる。

Q
一部のプレイヤーは以前に予告された「妄想エンジェル」陣営が2.0のティーザーなどで登場していないことに反応しているが、今後の計画はあるか?
A

詳細は言えないが、2.Xでお披露目される。

Q
メインストーリーの規模や展開について何らかの計画や目安はあるか?
A

ゼンゼロの場合は地域ベースではなくストーリー主導の物語を重視していて、各エリアが自然な形で物語をプレイヤーに提示しつつ、展開していくプロットを補完していく。
メインストーリーは一つの筋道を示しているにすぎず、プレイヤーごとの理解、経験、感情的な機微といった繋がりは、常にプレイヤー自身のものであり、開発側がストーリーの方向性を確実に決めてしまうのではなく、プレイヤーが自由に想像し、世界を探索し、予想外の瞬間に満ちた旅であるようにしたいと考えている。


参考(いずれも英語):www.gamesradar.comwww.siliconera.comdbltap.com